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プチシアタールーム製作(お茶の間リフォーム)!! 


 私の家には、お茶の間があります。建物西側に位置していることから、夏にはじめじめしていて冬は寒い、夕刻には西日が大変眩しく、居室として使用するには結構難がある部屋です。今は亡きじいちゃんばあちゃんが愛用していた部屋なんですが、今は(02‘)殆ど使用することがなく、開かずの間に近い状態となっており、砂壁に付着した煙草のヤニや、床の間そしてテレビの上に積もった埃の多さが、長きに渡る未使用期間を物語っています。

 そこで、私この「お茶の間」を復活させるべく、お茶の間リフォームに踏み込みました。お茶の間というだけあり、家族が団欒できることが第一の目的であり、その他ホームシアタールームとしても使用したいという願望があったので、構造上「防振」「防音」「遮光」の3点に重点を置いてリフォームを行いました。最後に、在来工法である当家屋、この風合いを生かすために「和」をテーマにしてみました。一からの施工で非常に苦労した点も多くあったので、ここでは、その奮闘記についてご紹介します。

※注  かなり我流な施工法も入っていますので、参考程度の閲覧としていただきたく思います。


まずわ、施工対象となる部屋を紹介します!

 これが、部屋の全景なんですが、非常に汚いです。

 床は畳貼りで、その上には経年により劣化が進んだござが敷いたままになっています。

 壁は砂壁で、煙草のヤニが大量に付着しており、本来の色である黄色系の砂壁がおうど色へと変色しています。

 テレビは29インチ型(当時は高かったらしい)で画面の両脇の色が変色しており、これも使用不可。

 左のふすまは、十数年前に一度張り替えたのですが、施工が非常に荒かったのでのりが浮いてボロさに拍車をかける状況となっています。とにかく、ござの上を裸足で歩くことに抵抗を感じるほど汚いです。


部屋の全景です。


 西側の状況ですが、昭和を感じます。左の茶棚は、じいちゃんが愛用していたものです。このふすま等が、西日をさえぎることが出来ないため、昼以降はテレビに日光が反射し視聴障害となり、夏には照りつける太陽光が室内まで直接到達します。
 このふすまも昭和を感じる一品ですが、目的とする条件に合致していないため、取り外したいと思います。 とりはずした物も、いずれは再利用したいと思いますので取っておきます。これら昭和の建具らは、今となっては手に入らないものが多くあるからです。(本当にぼろいものは、当然捨てますが・・・)
西側の風景


 これは、室内北側の様子。上部の砂壁に雨漏りの跡が残っています。雨漏りの跡がある砂壁の下のふすまも、若干立て付けが悪いんですが、非常に年代を感じさせる一品です。・・しかし、さすがに劣化が激しいため捨てることにします。
 変な暖簾がかかっていますが、ちょっと風流な感じがします。
 この写真を含めた上から3枚の写真で、部屋の汚れの著しさと建具等の劣化が分かると思います。当家屋は昭和56年に建立されたものですが、この部屋が一番よく使われた部屋であるとともに、一番汚れがひどい部屋でもあります。写真を客観的に見ると、ちょっと不気味ささえ感じます。


それでは、壁面の施工を行います!
 部屋のリフォームを行う上で準備したものは

・床に敷き詰める(下地)石膏ボードt12×6
・フローリングパネル(合板)
・壁に貼る石膏ボード×15枚
・糊付きの壁紙×20mとパテ
・壁紙を貼るための道具一式
・天井に貼るベニヤ天井用の壁紙15m

っとまぁ、主なものはこれだけです。部屋は6畳間で、リフォーム代は約10万です。
(最後には、大幅にオーバーしてました。理由は↓を読んでいってみてね!)


 では、施工に移って行きたいと思います。まず、本来であれば床から順番に上へと施行を進めていくらしいのですが、今回は訳あって壁から行うことにします。計画では、「和」の風合いを生かすために間柱を隠さずに砂壁を剥がして、下地のセメントに強力接着剤で9mmの石膏ボードを貼り付けていく(経年により間柱と壁の間に隙間が出来ていたため、これを埋めることと、防音・気密性を高めることが目的)ことを予定していたことから、砂壁の剥離からスタート!・・って、これが難しい!
 砂壁の表面に霧吹きで水を吹きかけてからスクレイパーで削り取る方法で簡単に剥がせると思っていたのですが、何故か剥がすことができません・・・砂壁って思ったより硬いのね・・・面倒くさがり屋の私は、これだけ強力なのなら砂壁を剥がさずにシーラーを塗って、砂壁ごと固める作戦を取りました。砂壁の一部にシーラーを塗って乾燥した後に接着剤を塗って石膏ボードの切れっ端を貼り付けてみました。・・1日後、見事に固定されています!強く引っ張っても、取れません!「これはいける!」と思い、この施工法で砂壁上にボードを貼ることに決定!

 残念ながら施工中の写真はありません。(いっぱいいっぱいで撮るのわすれてますた)


 室内の砂壁全面にシーラーを大量に塗付、ボードを適当な大きさにカットして接着剤で貼り付けていく。
 この作業、苦労させられた点は、経年により室内の間柱等が若干傾がっており、縦横の寸法どおりの長方形にカットしたボードがすんなりと間柱の間に入ってくれないということでした。室内でしぶしぶカット・・カットして微調整するのにかなりの時間が必要でした。おかげで室内は石膏の粉で非常に汚くなり、作業環境も一気に悪化。
 ボードの貼り付けも終わり、次はボードのつなぎ目や間柱との隙間をパテで埋める作業!これは、非常に高い技術
(乾燥時間短縮のため薄塗りを繰り返す、斑を作らないなど)が必要となりますが、私は結構、楽しく作業できました。
 パテで隙間を埋めた後は、壁紙の下地を整える意味で、パテを塗った箇所を中心にサンドペーパーをかけて下地を整えます。
 ここまでできれば、後は楽しい壁紙を貼る作業です。これは慣れたもので、施工日に合わせてネットで注文しておいた
「糊付きの壁紙」を必要な大きさにカット、先日貼った石膏ボードの表面に貼り付けていきます。余分な分をカットして、周囲に付きまくった糊を濡れ雑巾で拭きとります。(基本は、糊が付かないように事前にマスキングしておく。)この「壁紙を貼る」って作業だけはすんなりと行えました。

コンセント付近の状況!



壁紙を貼り終わったとこ



やっと壁の施工も終わり、やっと床の施工に入ります。

 では、床の施工に移ります。
 左の写真ですが、畳の上に敷いてあったござを取り除いたところです。
 敷いてあった畳は、ここ十数年間干した覚えは無く、表面に付着した汚れや色の悪さが、年代モノであることを物語っています。
 さ、次は畳を取り除いていきます。やはり畳は所々腐りかけており、取っ手がちぎれたものや、水気を含んで部分的にぐにゃぐにゃになったものがありました。
(畳は定期的に干しましょう!)畳は、田んぼの畦に草止めとして、裏の畦の上に置いて来ました。
※畳はこまめに干しましょう!!

ゴザを剥がした状態。畳は大分傷んでます。



 そして、根太(大引)の上に敷いてある杉板が顔を出しました。ここは思ったより劣化しておらず、体重80kgの私が乗っても若干きしむ程度で、汚れも大したことはありません。局所的に、何かがこぼれたような跡がありシミになっていますが、強度的には全く問題なし。多分根太材も良いものが使ってあるんでしょう。
 この家を建てたのが昭和55年。皆さんの家もこの頃に建てられた家であるなら、フローリングが浮いてきたりしていませんか? この当時の根太材は割と細い垂木で施工されていることが多く、経年により腐ってきているために、床が沈んだりするんだそうです。気になる方は、一度調べてみることをお勧めします。

畳の下は、割ときれいなままでした。



  で、フローリング材の下地として準備した石膏ボードを適当な大きさにカットして床に敷き詰めるんですが、え、何で石膏ボードを敷くかって?それは、過去にも部屋をリフォームしたことがあったんですが、その際に床等の施行業者の方からお伺いした話で「床の機密性と防音性を低コストで施行するときは、下地の板の上に石膏ボードを1重〜3重くらい敷いてから床板をはる。また、その間に吸音材なんか挟みこむと、さらに防音性はたかくなるよ!」って聞いたものですから、現在は当たり前のようにこの施行方法をとっています。
 しかし今回は、また違う方から「温度を遮断するためには、空気の層を作ってやると、断熱効果があがるよ!」って話を聞きました。この部屋は1階にあり、下地の下は外気が流通しているので、この策は必要と感じて下地板と石膏ボードの間に
「ポリカーボネート製の中が空間のやつ」を敷くことにしました。これで、まがいなりにも空気の層をつくることが出来ました。(やわこいので強度的に大丈夫か心配。)

床板の下地を施工します。



 さ、これでフローリングの下地が完成。結局、石膏ボードは一枚張りとしました。この部屋は6畳間なので、ボードも6枚で済みました。
 これで、床板(フローリング)を貼る準備が整いました。床板は過去に何度か手がけたことがあるので、それほど問題ではありません。
 近所のホームセンターに売っている
「フローリング材」を6畳分購入。無垢材は高いので化粧合板のやつを購入しました。あと、専用の「フローリング釘」も併せて購入!
 先ずは、必要な長さにカットして一枚一枚床に貼り付けていきます。
 

さ、あとは床板を貼るだけです!



 床板に釘を打ち付ける間隔は30cm。本当に数時間で完成してしまいました。あまりにもすんなり完成したので、写真撮るのも忘れてました。
 季節は冬、裸足でフローリングではやはりさぶい・・。ということで、後日、い草のゴザを購入してフローリングの上にこれを敷きました。
 ここで問題が発生!床板にゴザを敷いても、ちょっと歩いただけでゴザが滑り、撚れてしまいます。しかも下地が材木ということで、それほど座り心地もよくなく、どちらかというとケツが痛い・・・
 とりあえず滑り防止は、ゴザの四隅に釘を打って無理やりゴザを固定することで解決しましたが、座り心地の改善策は考え付きませんでした。
 なにはともあれ、い草のいい匂いが室内に広がり、
「和」の空間が仕上がりつつあります。 

 ゴザを敷いて、四隅を釘で固定しました。しかし、床が固くて長時間の体育座りには適していません。



床の施工も完了し、次は天井の施工です!!

 次は天井の補修です。上でもちょっと紹介したとおり、化粧版張りだった天井面は、タバコのヤニが大量に付着しており、とてもそのまま活かす訳にはいきません。
 天井面の化粧版といっても数ミリ程度の材木、剥がして、新たに化粧版をはることも考えましたが、面倒だったので、3ミリのベニヤを木工用ボンドと釘で貼り付けた後に、天井用の壁紙を貼りました。 天井の補修作業は思ったより難しく、特に壁紙を貼るときには密着していなかった壁紙が、私が便所へ行っている最中に剥がれて、部屋に戻ったときには貼ったはずの壁紙が床に落ちてたりして、大変苦労しました。おかげで、壁紙が足りなくなったもんですから、「すだれ」を貼って補いました。これは過去に雑誌を見て「あ、いいな」って思ったことで覚えていたんですが、写真のとおり結構普通にかっこ良くなってよかったです。 

 天井の色が当初考えていたより薄かったこともあり、結構いいアクセントになっています。
 淡色の壁紙だけよりは良い仕上がりになって非常に満足しています。まさに「和」!



あとは、昭和を感じさせる「ふすま」をなんとかします!

 上でも少し述べたんですが「ふすま」が非常にボロい! ということで、ふすまを購入するために建具屋をまわったりしたんですが、これが高い!貧乏人の私にはとても手が出せません。「買えない物は作ってしまえ!」ということで、ホームセンターに売っている材料のみでふすまを作り出してしまいました。
 「遮音」の条件も考慮しなければ・・・でも、ふすまなだけに重量はできるだけないようにしたい・・・
(防音を実現するには、吸音材を使用したり密度の高い(重い)ものを使用するのが手っ取り早い)このことから、ふすまの表裏に張るベニヤの接合部には全て発泡ウレタンを注入し高気密と防振を実現しました。(本当にこれでいいのか不安でしたが・・)
 結局、8枚あったふすま全てを自作してしまいました。
 



 ふすま専用の紙もホームセンターに売っています。ほんとに何でも売っているもんですねぇ。
 で、高級感を出すためにも、ちょっと高めのふすまを使用しました。仕上がりは写真のように、まったく申し分ない仕上がりとなりました。枠の色と模様が非常にマッチしており落ち着きのある雰囲気を出すことが出来ました。開閉についても、一枚一枚がそれほど重くない(多分5kg程度)ため、用意に開けることが出来ました。
 あとは、サブウーファーの振動にどれだけ耐えれるのかということだけが心配です・・・

 こんなものも作れてしまうなんて・・・自分でもちょっと感激してしまいました。



最後のふすまもとりつけて、やっと完成です!!

 部屋の西側に使われていたものもガラスがはめ込まれていたため、テレビの画面に日光が反射してとても見られたもんじゃなかったことと、この部屋をホームシアターとして使用することを考えて、こちらも同様にガラスを使用せず、ふすまにしてしまいました。
 いやぁ、部屋のふすまを変えるだけで、こんなにも雰囲気が変わるとは思ってもみませんでした。ふすまにかかった費用は、全部で1万5千円程度だったと思います。ちなみに、購入すれば楽に10万は超えます。



最後に・・・・

 これで、一連の作業が終わったわけですが、当初予定していた工期から大幅に時間を要してしまいました。結局は12月から2月位まで作業していたと記憶しています。
 しかし、そのときの苦労は、私に素晴らしい環境と、DIYのスキルアップ、そしてなにより、いろいろな失敗を与えてくれました。このときの苦労を糧に、もっと大きい物をもっと安く製作していきたいと思います。
             〜おしまい〜
※ちなみに完成後4年が経過しましたが、いまでも非常に快適な空間となっており、不具合も出てません。上記各項目ともそんなに難しい作業ではないので、興味のある方、是非お勧めします。

 これまた、ちょっと高級な椅子を購入してしまいました。


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